ヤる豊富に認めることが出来るのだよ。ところで、その厳粛な顔をした悪戯者《いたずらもの》が、だいたいどういう具合に人間神経の排列を変形させてゆくものだろうか、ここにちょうど恰好な例があるのだがね」と、その奇矯な推論から、独断に見える衣を脱がせようとして、彼はまず例証を挙げた。「これは今世紀の初め、ゲッチンゲンに起った出来事なんだが、オット・ブレーメルという、いかにもウエストファリア人らしい鋭感的《センシブル》な少年が、同地にあるドミニク僧団の附属学園に入学したのだ。ところが、そのボネーベ式の拱貫《きょうかん》が低く垂れ、暗く圧し迫るような建物が、たちまち破瓜期の脆弱《ぜいじゃく》な神経を蝕《むしば》んでいったのだ。最初は、建物の内外に光度の差がはなはだしいことが、彼に時として、偶然にしてはあまりに不思議な残像を見せる場合があった。そして、あげくに幻聴を聴くほどの症状になったと云うのは、彼の室の窓外が鉄道線路であって、そこを通過する列車の響が、絶えず Resend《レゼンド》 Blehmel《ブレーメル》([#ここから割り注]気狂いブレーメルの意[#ここで割り注終わり])と繰り返すように聴
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