n。ねえ支倉君、偶然の中からは、往々に数学的なものが飛び出してくるものだよ。何故なら、元来|恒数《コンスタント》と云うものは、常に最初の出発点形式は仮定であり、しかる後に、常住不変の因数《ファクター》を決定するのだからね」と法水の顔に、いったんは混乱したような暗影が現われたけれども、彼はさらに語を次いで、屍光に関して、地理的にも奇妙な暗合のあるのを明らかにした。しかし、そういう隔絶した対照は、結果において紛乱を助長するものにすぎなかったのである。
「次に僕は、カトリック聖僧に関する屍光現象に注目したのだ。ところが、アヴリノの『聖僧奇蹟集』を読むと、新旧両教徒の葛藤が最もはなはだしかった一六二五年から三〇年までの五年ほどの間に、シェーンベルグ([#ここから割り注]モラヴィア領[#ここで割り注終わり])のドイヴァテル、ツイタウ([#ここから割り注]プロシア[#ここで割り注終わり])のグロゴウ、フライシュタット([#ここから割り注]高部アウストリア[#ここで割り注終わり])のアルノルディン、プラウエン([#ここから割り注]サキソニー領[#ここで割り注終わり])のムスコヴィテス――と都合四人が
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