るとするのは、仮令《たとい》論理的であるにしても、すこぶる実在性に乏しく、結局彼の狂気的産物と考えるほかにない。
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九、ファウストの五芒星呪文[#「九、ファウストの五芒星呪文」は太字](略[#「略」は太字])
十、川那部易介事件[#「十、川那部易介事件」は太字]
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法水の死因|闡明《せんめい》は、同時に甲冑を着せしめたところに、犯人の所在を指摘している。それを時間的に追及すると、伸子にのみ不在証明《アリバイ》がない。しかも伸子は、その咽喉《のど》を抉《えぐ》った鎧通《よろいどお》しを握って失神し、なお、奇蹟としか考えられない倍音が、経文歌《モテット》の最後の一節において発せられている。それ以外に疑問の焦点とでも云いたいのは、はたして犯人が、易介を共犯者として殺害したか否かであって、勿論容易な推断を許さぬことは云うまでもないのである。結局、その曲折紛糾奇異を超絶した状況から推しても、しだいに、伸子の失神を犯人の曲芸的演技とする点に綜合されてゆくけれども、しかし、公平な論断を下すなれば、依然として紙谷伸子は、ただ一人の、そして、最も疑われてよい
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