ゥった。が、その解答を求めた検事の顔には、痛々しいまでの失意が現われた。
「すると、鐘鳴器《カリリヨン》室の風精《ジルフス》が、あの倍音演奏とどんな関係があるのだね。そのλ《ラムダ》は、θ《シータ》は?」と検事が喘《あえ》ぐように訊ねると、法水はにわかに態度を変えて、悲劇的に首を振った。
「冗談じゃない。どうしてあれが、そんな遊戯的衝動の産物なもんか。あれには、悪魔の一番厳粛な顔が現われているんだよ。ねえ、そうじゃないか支倉君、没頭と酷使とからは、きまって恐ろしいユーモアが放出されるんだぜ。だから、あの風精《ジルフス》のユーモアは、今のような論理追求だけで潰《ひしゃ》げてしまうようなしろものじゃない。きっと水精《ウンディヌス》などとは似ても似つかぬほど、狂暴的な幻想的《ファンタスチック》なものに違いないのだ。それに、元来あの風精《ジルフス》と云うのが、|眼には見えぬ気体の精《インヴィジブル・フェアリー》なんだからね。したがって、どこぞという特徴もないのだ」とむしろ冷酷に突き放してから、熊城の方を向くと、彼は満面に殺気を泛《うか》べて云い放った。
「つまり、きっと犯人の冷笑癖《シニシズム
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