迺kはやめてもらおう。それほど算哲の遺骸が気になるのだったら、その発掘は、この事件の大詰《おおづめ》が済んでからのことにしようじゃないか」
「うん、神経かもしれないが。けっして小説的な空想じゃないよ。結局この神秘的な事件が、そこまで辿《たど》り着いて行きそうな気がするだけだけどもね」とそれなりで検事は、彼の譫妄《うわごと》めいたものを口には出さなかったけれども、それには背後から追い迫って来る、悪夢のような不思議な力が潜んでいた。割合夢想的な法水でさえも、その――ディグスビイの生死いかんにかけた疑問と算哲の遺骸発掘――という二つの提題からは、瞬間ではあったが、疼《うず》き上げてくるようなものを感じたことは事実だった。検事は椅子をグイと後に倒して、なおも嘆息を続けた。
「ああ、今度は火精《ザラマンダー》か※[#感嘆符疑問符、1−8−78] すると、拳銃《ピストル》か石火矢かい。それとも、古臭いスナイドル銃か四十二|磅《ポンド》砲でも向けようという寸法かね」
 法水はその時不意に瞼《まぶた》を開いて、唆《そそ》られたように半身を卓上に乗り出した。
「四十二|磅《ポンド》の加農砲《キャノン》!
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