》して、それを、殺人事件の心理試験に異なった形態《かたち》で応用しようとしたのです。云わば、武装を隠した詩の形式でしょうかな。それで、貴方の神経運動を吟味しようと試みたのですが、とうとうその中から、一つの幽霊的な強音《アクセント》を摘み出しましたよ。ところでバーベージ([#ここから割り注]エドマンド・キーン以前の沙翁劇名優[#ここで割り注終わり])は、沙翁《シェークスピア》の作中に律語的な部分、すなわち希臘《ギリシャ》式量的韻律法が多いのを指摘していますね。つまり、一つの長い音節《シラブル》が、量において二つの短い音節《シラブル》に等しいというのが原則で、それに、頭韻《アリテレーション》・尾韻《エンドライム》・強音《アクセント》などを按配した抑揚格《アイアムバス》を作って、詩形に音楽的旋律を生んでいくのです。ですから、一語でもその朗誦法を誤ると、韻律が全部の節にわたって混乱してしまいます。しかし貴方が|三たび《スライス》で逼《つか》えて、それ以後の韻律を失ってしまったのは、けっして偶然の事故ではないのですよ。その一語には、少なくとも匕首《あいくち》くらいの心理的効果があるからなんです。
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