り》としたものでないだけに、なおさら※[#「足へん+宛」、第3水準1−92−36]《もが》いてでも近づかねばならぬような力に唆《そそ》られました。そうして間もなく、貴方の嵌口令《かんこうれい》が生んだ、産物であるのを知ると同時に、強《し》いて覆い隠そうとした運命的な一人を、その身長まで測ることが出来たのです」
「身長を?」真斎はさすがに驚いて眼《まなこ》を※[#「目+爭」、第3水準1−88−85]《みは》ったが、ここで三人は、かつて覚えたことのない亢奮にせり上げられてしまった。
「そうです。あの兜《かぶと》の前立星《まえたてぼし》が、|此の人を見よ《エッケ・ホモ》――と云っているのです」と法水は椅子を深く引いて、静かに云った。「たぶん貴方もお聴きになったでしょうが、拱廊《そでろうか》の古式具足のうちで、円廊側の扉際にある緋縅錣《ひおどししころ》の上に、猛悪な黒毛三枚|鹿角立《しかつのだて》の兜が載っていました。また、その前列で吊具足になっている洗革胴《あらいかわどう》の一つが、これは美々しい獅子噛座のついた、星前立細鍬形の兜を頂いていて、その二つの取り合わせから判断すると、歴然たる置き
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