事件では、オルコン以上の碑文を読むことが出来たのだ。君はしばらく広間《サロン》にいて、今世紀最大の発掘を待っていてくれ給え」
「発掘※[#感嘆符疑問符、1−8−78]」熊城は仰天せんばかりに驚いてしまった。しかし、法水が心中何事を企図しているのか知る由はないといっても、その眉宇《びう》の間に泛《うか》んでいる毅然《きぜん》たる決意を見ただけで、まさに彼が、乾坤一擲《けんこんいってき》の大賭博《おおばくち》を打たんとしていることは明らかだった。間もなく、この胸苦しいまでに緊迫した空気の中を、乙骨医師と入れ違いに、喚《よ》ばれた田郷真斎が入って来ると、さっそく法水は短刀直入に切り出した。
「僕は率直にお訊ねしますが、貴方は、昨夜八時から八時二十分までの間に邸内を巡回して、その時古代時計室に鍵を下したそうでしたね。しかし、その頃から姿を消した一人があったはずです。いいえ田郷さん、昨夜神意審問会の当時この館にいた家族の数は、たしか五人ではなく、六人でしたね」
 途端に、真斎の全身が感電したように[#「感電したように」は底本では「感電しように」]戦《おのの》いた。そして、何か縋《すが》りたいもの
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