わ」
「さよう、どのみち三人の血を見ないまでは、この惨劇は終らんでしょうからな」レヴェズ氏は脹れぼったい瞼を戦《おのの》かせて、悲しげに云った。「ところが、儂《わし》どもには課せられている律法《おきて》がありますのでな。それで、この館から災を避けることは不可能なのです」
「その戒律ですが、たぶんお聴かせ願えるでしょうな?」と検事はここぞと突っ込んだが、それをクリヴォフ夫人はやにわに遮って、
「いいえ、私達には、それをお話しする自由はございません。いっそ、そんな無意味な詮索をなさるよりも……」とにわかに激越な調子になり声を慄《ふる》わせて、「ああ、こうして私達は|暗澹たる奈落の中で《プランキング・イン・ジス・ダーク・アビス》、|火焔の海中にあるのです《サファリング・イン・ザ・シー・オブ・ファイア》。それを、貴方は何故そう好奇《ものずき》の眼を※[#「目+爭」、第3水準1−88−85]《みは》って、新しい悲劇を待っておられるのでしょう?」と悲痛な声でヤングの詩句を叫ぶのだった。
法水は三人を交互《かわるがわる》に眺めていたが、やがて乗り出すように足を組換え、薄気味悪い微笑が浮び上ると、
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