刻とは異なり率直な陳述を始めた。「この館が、世間から化物屋敷のようには云われませんじゃろう。御承知かもしれませんが、あの四人の方々は、まだ乳離れもせぬ揺籃の頃、それぞれ本国にいる算哲様の友人の方々から送られてまいったそうです。しかし、日本に着いてからの四十年余りの間と云うものは、確かに美衣美食と高い教程でもって育《はぐく》まれていったのですから、外見だけでは、十分宮廷生活と申せましょう。ですが、儂《わし》にはそう申すよりも、むしろそういう高貴な壁で繞《めぐ》らされた、牢獄と云った方が適《ふさ》わしいような感じがしますのじゃ。ちょうどそれが、「ハイムスクリングラ]([#ここから割り注]オーディン神より創まっている古代諾威王歴代記[#ここで割り注終わり])」にある、僧正テオリディアルの執事そっくりじゃ。あの当時の日払租税のために、一生金勘定をし続けたと云うザエクス爺《おやじ》と同様、あの四人の方々も、この構内から一歩の外出すら許されていなかったのです。それでも、永年の慣習《しきたり》というものは恐ろしいもので、かえって御当人達には、人に接するのを嫌う――いわば厭人《えんじん》とでも云うよう
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