異様な符合が現われている事だった。法水がその面当《めんぼう》を外すと、そこに易介の凄惨な死相が現われた。はたせるかな、法水の非凡な透視は適中していたのだ。のみならず、ダンネベルグ夫人の屍光と代り合って、この侏儒《こびと》の傴僂《せむし》は奇怪千万にも、甲冑を着し宙吊りになって殺されている。ああ、ここにもまた、犯人の絢爛《けんらん》たる装飾癖が現われているのだった。
 最初眼についたのは、咽喉につけられている二条の切創《きりきず》だった。それを詳しく云うと、合わせた形がちょうど二の字形をしていて、その位置は、甲状軟骨から胸骨にかけての、いわゆる前頸部であったが、創形が楔形《くさびがた》をしているので、鎧通し様のものと推断された。また、深さを連ねた形状が、※[#「凵」のような形(fig1317_08.png)、119−1]形をしているのも奇様である。上のものは、最初気管の左を、六センチほどの深さに刺してから刀《とう》を浮かし、今度は横に浅い切創《せっそう》を入れて迂廻してゆき、右側にくると、再びそこヘグイと刺し込んで刀を引き抜いている。下の一つもだいたい同じ形だが、その方向だけは斜め下にな
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