が芝居でさえなければ、僕の想像と符合するところがある」
 鎮魂楽《レキエム》の演奏は、階段を上りきった時に終った。そして、しばらくの間は何も聞えなかったけれども、それから三人が区劃扉を開いて、現場の室《へや》の前を通る、廊下の中に出た時だった。再び鐘鳴器《カリリヨン》が鳴りはじめて、今度はラッサスの讃詠《アンセム》を奏ではじめたのであった(ダビデの詩篇第九十一篇)。

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夜はおどろくべきことあり
昼はとびきたる矢あり
幽暗《くらき》にはあゆむ疫癘《えやみ》あり
日午《ひる》にはそこなう激しき疾《やまい》あり
されどなんじ畏《おそ》ることあらじ
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 法水はそれを小声で口誦《くちずさ》みながら、讃詠《アンセム》と同じ葬列のような速度で歩んでいたが、しかし、その音色は繰り返す一節ごとに衰えてゆき、それとともに、法水の顔にも憂色が加わっていった。そして、三回目の繰り返しの時、幽暗《くらき》には――の一節はほとんど聞えなかったが、次の、日午《ひる》には――の一節に来ると、不思議な事には、同じ音色ながらも倍音が発せられた。そうして、最後の節はついに聴
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