ンて死せり。」に傍線] 神その女児を下界に降して人の母となさしめ給いき。[#「神その女児を下界に降して人の母となさしめ給いき。」に傍線][#ここで横組み終わり][#底本では区切りごとに1〜7の数字が傍線の下に記されている]
[#ここで字下げ終わり]

「まずこんな風にして、僕はこの文章を七節に分けてみたのだ。そして、それぞれの小節から、そこに潜んでいる解語の暗示を、探り出そうとしたのだった。ところで、文中の第一節だが、僕はこの句を人間創造という意味に解釈した。云わばすべての物の創《はじ》め――例えて云うと伊呂波《いろは》のい、ABCのAなのだ。それから第二節――これが一番重要な点なんだよ。ねえ熊城君、それが双生児《ふたご》を生み給えり、――なんだろう。それで双生児《ふたご》と云えば、さしずめ tt とか ff とか※[#AE小文字、1−9−60]とか云うような、文字的な解釈を誰しも想像したくなるものだ。ところが、この場合はすこぶる表象的な意味があって、それが、母胎内における双生児《ふたご》の形を指しているのだったよ。ところが熊城君、だいたい双生児というものが、母の子宮内でどんな恰好をしているか、恐らく知らぬはずはないと思うがね。必ず一人が逆さになっていて、一人の頭ともう一人の足といった具合で、つまり、ちょうどトランプの人物模様みたいに、頭尾相同じという恰好なんだよ。そこで、pとdとを抱き合わせて見給え。アルファベットの中で、てっきり双生児《ふたご》の形が出来るじゃないか、そして、それに第一節の解釈を加えれば、当然pかdかそのいずれかが、アルファベットのaの位置を占めているに違いないのだ。しかし、まだそれだけでは、要するに別個の暗号を作るにすぎないし、またqとbでも同じようだけれど、それでは解答が、楔形文字《キュネイフォルム》か波斯文字《ネスキー》みたいになってしまうのだよ」
 それから一息いれた体《てい》で、冷たくなった残りの紅茶を不味《まず》そうに流し入れてから、法水は一気に語り続けた。
「ところで、それがすんで第三節以降になると、初めてそこで、dとpとが区分されるのだ。つまり、最初に生まれたのが女で次が男――なんだから、頭を下に向けているdがエヴで、pがアダムに当る訳だろう。それから、第五節にある子と云う語《ことば》と、七節の母という語を、それぞれに子音または母
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