が、御上京の可否即刻電報にて御知らせ下され候わば、幸甚至極に奉存候。
先は、取り急ぎ用事のみ。[#地から1字上げ]敬具
私の、斜めうしろから、この手紙を読んでいた家内は、わっと声をあげて泣き崩れた。家内が、私のところへ嫁にきてから十五年、声をあげて泣くのは、これがはじめてであった。
底本:「『たぬき汁』以後」つり人ノベルズ、つり人社
1993(平成5)年8月20日第1刷発行
入力:門田裕志
校正:松永正敏
2006年12月2日作成
青空文庫作成ファイル:
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