はコギと名づけ、滋賀県ではイモナ、イモウオと称しているそうである。
学者の説によると、日本内地にいる岩魚と、北海道に棲んでいるのとは違うらしい。内地のもののように赤い斑点がない。これをアメマスと称している。このアメマスはエゾイワナと言うのが本名で、北海道では陸封された川や湖沼に生活しているが、樺太へ行くと川にも棲み、海へ遊びに行く。
また、別にカラフトイワナと言うのもある。これはオショロコマと言うのが学名だそうである。樺太、カムチャツカ、アラスカ方面の海に棲むもので、形は大きく、明らかに肌に赤い斑点がある。なお、この外に北海道の一地方に、陸封された特殊の変種が発見されているともいう。
元来、岩魚にしてもエゾイワナにしたところが、オショロコマの陸封されたものであるから、広義にはイワナ類はすべてオショロコマの地方的変異種と見なしてよろしい、と解釈されるのだ。しかし、そんなことはどうでもいい。我れにはただ、釣って勇ましく、食べておいしければよろしいのだ。
四
人により、鮎の高い香気と清涼な風趣を絶賛し、一方には山女魚の濃脂《のうし》と、焼き上げた肉の軽泊《けいはく》
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