われるが、角背は多くの場合裏打を固くしてその特長を強化する。その折れ目、耳を立てたのを角山という。角背の腔背は耐久力に難点がある。余程優秀な技術が要る。角背の、特に硬直背は釘とじ式のものに適応するわけである。(釘とじは、針金などの金属が腐るのを避けて麻糸等によるものがある。之は針金とじというよりも、やはり総称である打抜き綴じという風がいいわけ)角背を俗に南京(ナンキン)と呼ぶ。角背は保全上と開きの点に難があるが、視形としてはキッカリとした角形を成すので、そういった好みには適合する。
連結の法に、も一つの方法がある。突着け綴附というので、表紙の平(ヒラ)と背との間の仕切り押のないもの、背からすぐ平へ移行する方式、表紙をミミの根までつき込んで連絡するのである。之は仕切り押を忌む様な平から背まで続いた装飾などある場合には此の法によるより外ないが、一寸締りのない様な感じである。場合によってはこの装飾の関係がなくとも用いて良果がある。又之と同様の外容となるものだが、一枚の芯紙をのべて貼附けたものなどもある。小形の聖書などにみるあれである。
以上で大体装綴様式を略述したことになるが、各々その工
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