》り、矢の一端を弦の中程《なかほど》に當《あ》てて右手の指にて摘《つま》まむと云ふは何所も同じ事なれど、摘《つま》み方に於ては諸地方住民種々異同有り。未開人民に普通なるは、握《にぎ》り拳《こぶし》を作《つく》り、人差し指第二關節の角の側面と拇指の腹面との間《あひだ》に矢《や》の一端と弓弦とを挾《はさ》む方法《はう/\》なり。コロボックルも恐くは此方を採《と》りしならん。鳥類ならば一發の石鏃の爲に斃《たほ》るることも有るべけれど、鹿《しか》猪《しし》の如き獸類《じうるゐ》は中々彼樣の法にて死すべきにあらず。思ふにコロボックルは數人連合し互に相《あひ》助《たす》けて獸獵に從事し、此所彼所《ここかしこ》より多くの矢を射掛《ゐか》け、鹿なり猪なり勢|衰《おとろ》へて充分《じうぶん》に走《はし》る事能はざるに至るを見濟《みす》まし、各自棍棒石斧抔を手にして獸に近寄《ちかよ》り之を捕獲《ほくわく》せしならん。
鳥類の捕獲には一端に石或は角の小片を結《むす》び付《つ》けたる紐《ひも》の、長さ二三尺位のもの數本を作り之を他の端に於て一束《ひとつか》ねに括《くく》りたるものを用ゐし事も有りしならん。そは
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