コロボツクルは之を以て繪《ゑ》の具《ぐ》入れとせしなり。赤色《あかいろ》の繪《ゑ》の具《ぐ》を入れたる儘《まま》のはまぐり貝は大森|貝塚《かいづか》より數個|發見《はつけん》されたり。
はまぐり貝は又物を掻《か》き取るに適《てき》したり。魚鱗《ぎよりん》の充《み》ちたる儘《まま》のもの貝塚《かいづか》より出づる事有り。
貝塚《かいづか》發見《はつけん》物中に猪の牙を細《ほそ》く研《と》ぎ※[#「冫+咸」、87−下−14]《へ》らしたるが如き形のもの有り。其用は未だ詳ならざれど、明かに貝殼《かいがら》の一つなり。最も細《ほそ》く作られたるものは其|原料《げんれう》甚だ見分《みわ》け難けれど稍《やや》太《ふと》きもの及び未成《みせい》のものを列《つら》ね考ふれば、あかがひの縁《へり》の部分《ぶぶん》なる事を知るを得。發見地《はつけんち》は常陸椎塚、武藏上沼部、箕輪及び東京谷中延命院|脇《わき》の貝塚《かいづか》なり。
    ●植物質器具
植物質《ちよくぶつしつ》のものにして今日迄に石器時代遺跡《せききじだいいせき》より發見されたるは菱《ひし》の實《み》、胡桃の實《み》、及び一種の水草《す
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