偶《どぐう》の用は信仰上《しんこうじやう》に關係《くわんけい》有りと假定するも、尚ほ實在《じつざい》の人の形を現《あらは》したる物か、想像上《そうぞうじやう》の神の形を示したる物かとの疑問《ぎもん》有らん。此事に付きては後段《こうだん》別《べつ》に述ぶる所有るべけれど、土偶の形状《けいじやう》はコロボツクル日常の有樣《ありさま》を基《もと》として作りしものならんとの事丈《ことだけ》は此所《ここ》に記し置くべし。土偶中には裸体《らたい》の物有り、着服《ちやくふく》の物有り、素面《すめん》の物有り、覆面《ふくめん》の物有り、冠《かむ》り物の在る有り、無《な》き有り、穿《は》き物の在る有り、無《な》き有り、上衣《うわぎ》と股引《ももひき》とには赤色《あかいろ》の彩色《さいしき》を施したるも有るなり、圖中|下段《げだん》右より二つ目に畫《ゑが》きたるものは裸体土偶《らたいどぐう》の一例にして出所は常陸椎塚貝塚、所藏主《しよぞうぬし》は理科大學|人類學《じんるいがく》教室なり。左に土偶|發見《はつけん》國名表を掲《かか》ぐ。
渡島、陸奧、羽後、磐城、岩代、下總、常陸、武藏、信濃、就中《なかんづく
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