》たるか未だ詳《つまびらか》ならずと雖も、間々|製作《せいさく》の巧妙《こうめう》精緻《せいち》なる物有るを以て見れば甲の考《かんが》への方實に近からんと思《おも》はる。物質《ぶつしつ》の異同は有れど、小偶像《せうぐうぞう》を作りて禮拜《れいはい》の目的物《もくてきぶつ》とし又は身の護《まも》りとする事|野蠻未開人民《やばんみかいじんみん》中其例少しとせず。貝塚《かいづか》即ち石器《せきき》時代人民の掃《は》き溜《だ》めより宗教上《しうけふじやう》の物を發見《はつけん》すとは如何にも誠しからず聞こゆべしと雖も、一定《いつてい》の時日を經《へ》たる後、或は一定の祭祀《さいし》を終りたる後は、偶像《ぐうぞう》の利益|功力《こうりよく》を失ふと云ふが如き考《かんが》へは存し得べき事にして、尊崇《そんすう》すべき物品が食餘《しよくよ》の汚物《おぶつ》と共に同一所に捨てられしとするも敢て怪《あやし》むべきには非ざるなり。土偶《どぐう》の頭部《たうぶ》或は手足部《しゆそくぶ》の欠損《けつそん》せる事常なること、恐くは一種《いつしゆ》の妄信《もうしん》の爲、故意に破壞《はくわい》せるに由るならん。土
前へ 次へ
全109ページ中83ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
坪井 正五郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング