たくは》ふるに在らず、時としては手箱の用《よう》をも辨《べん》じたるなるべし。現に石鏃の入りたる儘の土器、小砂利の入りたる儘の土器、繪具《ゑのぐ》を入れたる痕《あと》有る土器等の發見されたる事有るなり。
圖版中左の上に畫《ゑが》きたるは沈紋《ちんもん》の數例なり、形状の圖と共に其據は總て理科大學人類學教室所藏品に在り。[#地から2字上げ](續出)
[#改段]

     ●コロボックル風俗考 第八回(※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]圖參看)
[#地から1字上げ]理學士 坪井正五郎
    ●土製裝飾品
身体裝飾《しんたいそうしよく》として用ゐられしならんと思《おも》はるる土製品《どせいひん》は極めて稀《まれ》にして、好例《こうれい》として示すべき物は余の手近《てぢか》には唯一個有るのみなり。(圖中《づちう》、下段《げだん》右の端《はし》を見よ)此品は大森貝塚《おほもりかいづか》より發見されたり。全体《ぜんたい》に樣々の沈紋《ちんもん》有り。他の土器《どき》と等しく火に掛《か》けたる物にして、色は黒《くろ》し。長さの向《む》きに孔《あな》有りて恰も
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