線|連合《れんがふ》の模樣有るもの。
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股引に二種類有るは何に由るか未詳。然れども乳房《にうばう》の部の膨《は》れ方少き土偶に限りて第二種を穿《は》きたる樣に作り有るを見れば或は此方は男子用にして第一種は女子用ならんか。エスキモ男子中には第二種と等《ひと》しき股引を穿く者有り。彼等の多數《たすう》は男子共に第一種と同樣なる形の股引を穿《は》く。原料の事は後に云ふべし」※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]圖中、右の上(根岸武香氏藏)、其下(加藤某氏藏)、其|斜《ななめ》に左の下(人類學教室藏)三個は第二種の好例《かうれい》なり。此他の脚部は皆第一種に屬す。
上着[#「上着」に白丸傍点] コロボツクルは身体の上半を覆ふに上着のみを以てせしか、他に膚着の類有りしか、知るに由無し。今は只上着のみに付きて記述《きじゆつ》を試《こころ》むべし。
上着にも慥《たしか》に二種の別有り。第一種は普通のフラネル製のシヤツの如く胸部《きやうぶ》より腹部《ふくぶ》に掛《か》けて縱《たて》に眞直に合はせ目有り。第二種は白シヤツの如く胸部に開《ひら》きたる所有りて腹部は左右《さゆう》連接《れんせつ》す之を着るには第一種に在つては紐《ひも》を以て諸所を括《くく》り、第二種に在つては胸部を開きたる儘《まま》にし、すでれ[#「すでれ」はママ]上部のみを紐にて止《と》めたるならん。第一種の方には略製《りやくせい》にして胸部の搆造《かうざう》詳《つまびらか》ならざるものも有れど大概は右に述《の》べしが如くなるべし。兩種共樣々の模樣《もやう》有り。殊に渦卷《うづま》き形を多しとす。第二種の上着は第二種の股引と相《あひ》伴《とも》なふ[#「伴《とも》なふ」は底本では「伴《とも》ふ」]に因つて思へば此物は男子の着用品ならんか。第一種の上着を着する土偶《どぐう》には乳房の部の膨《は》れ方甚きもの有り。是亦第一種の婦人《ふじん》用たるを示すものの如し。
※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]圖中、右の上、其下、左の端より二行目の中央《ちうわう》の三個は第二種の好例なり。([#ここから割り注]此他の土偶は皆人類學教室藏[#ここで割り注終わり])エスキモは現《げん》に是等と同樣なる上着を用う。
男女服裝の別[#「男女服裝の別
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