めぐり逢いを祝福してくれるではありませんか?……自然が僕達の友情を謳歌《おうか》してくれるのです! なよたけ!……あの美しい小鳥の唄を聞いてごらんなさい!
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とたんに小鳥の囀《さえず》る声、聞えなくなってしまう。清原ノ秀臣、とりつくしまがなくなる。…………
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文麻呂 なよたけ。……御覧《ごらん》なさい! 鮮かな緑の竹の葉を通して、輝かしい僕達の太陽が恵みの光を投げかけているではありませんか!……あれこそは偽りのない神の祝福の啓示《しるし》です。僕達は祝福されているのです。……なよたけ! 御覧なさい! あの輝かしい太陽の恵みを!
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とたんに、輝く日射は薄暗く翳《かげ》ってしまう。同時にまた小鳥達が賑《にぎや》かに囀り始める。
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清原 なよたけ! ほ、ほら!……小鳥達だけは本当に僕達の味方です! あの小鳥達の囀りと共に、僕達の永遠の友情は生れるのです!……(聞く)あのひときわ高い声でちゝちゝゝと鳴いている鳥は
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