は一ぱいあるのだ
○
もう我慢《がまん》できないわ 手がしびれて上からすべり落ちさうだわ
○
なんだ 智慧《ちゑ》がないなあ 君は足だつて使へるぢやないかあ
○
もう駄《だ》目よ 足《あし》もふるへてきたのよ
もう一|段《だん》下の枝《えだ》に 下り給《たま》へ 叱《しか》られやしないよ
○
ああお尻《しり》が 痛《いた》くなつちやつた
困《こま》つたなあ ぢやもう一段下の枝へ
○
あたい つまらなくなつたわ
僕《ぼく》もたいくつだよ 下の枝まで降《お》りてき給《たま》へ
○
これなら楽《らく》だわ あんたキャラメルもつてゐたわね
さうだつた 一つあげやう
○
おや樹《き》の所に 何も見えなくなつたぞ
ほんとだ ニャン子たち 何うしたのだらう
○
あさうだ 望遠鏡《ばうゑんきやう》をもつてきて見てやらう
ああそれから お父《とう》さんが作《つく》つてやつた模型《もけい》のロケットもとつておいで
○
どれどれ
おやあ これは驚《おど》ろいた ふたりとも樹の下で眠《ねむ》つてゐるぞ
○
このロケットで驚ろかしてやれ
アハハ 驚ろくぞきつと
○
(ドカン!)
うわあ お
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