う》になつてゐる
機械《きかい》がぎつしりあるわ
ここは何にをするところです
いま いろいろの実験《じつけん》をやつて見せやう


さあ みんなマスクをかけ給《たま》へ
ニャンちやん マスクのかけ方がさかさまだよ
あら さう


マスクつて変《へ》んな格好《かくかう》のものね
そのマスクは酸素吸入器《さんそきふにふき》にもなつてゐるんだ
みんなタコのお化《ば》けのやうだ


おや お父《とう》さんだけマスクをかけないんですね
わしは次《つぎ》の室《へや》だ 最初《さいしよ》この部屋《へや》を火星《くわせい》の状態《じやうたい》にする


何が始《はじ》まるんだらう
お父さん あんまり恐《こわ》いことをしないでね
なんぢや 科学者《くわがくしや》の子がそんな弱音《よわね》を吐《は》いて


もし危険《きけん》なことが起《お》きたら 扉《ドア》をあけてそとに出たらいい


説明《せつめい》はその壁《かべ》にうつる仕掛《しかけ》になつてゐる
みんな用|意《い》はいいか
イイデス……
なんだ 情《なさ》けない声《こゑ》を出すね


あれ お父《とう》さんが隠《かく》れてしまつた
やあ 機械《きかい》のうなる音がしだした
(ブルン ブルン ブルン)
テン太郎さん 大丈夫《だいぢやうぶ》かしら


(ブルルン ブルルン ブルブル ピューキャタ キャタ キャタ ホホホヽ)


あれまあ 機械が笑《わら》ひ出したわ


や 映写板《えいしやばん》に何にか映《うつ》つた
やあ これは面《おも》白い
(これからこの部屋《へや》の空気《くうき》をかき出《だ》してしまふ。)


(ガッタン ガッタン ガッタン)
(火星《くわせい》の直径《ちよっけい》は四千二〇〇哩《まいる》ある 地球《ちきゆう》の半分《はんぶん》よりちよっと長《なが》いくらいだ。)


あら? わたし体《からだ》が軽《かる》くなつてきた
おかしいなあ しやぼん玉《だま》のやうに軽いぞ
やあ 面《おも》白い 面白い


飛《と》んだり 跳《は》ねたり 愉快《ゆくわい》だなあ!
やあ 面《おも》白いなあ
いくらでも跳《と》べるわ
(火星《くわせい》の重力《じゆうりよく》は 地球《ちきゆう》の五|分《ぶん》ノ二しかない。だから君達《きみたち》の重《おも》さも五|分《ぶん》ノ二にへった。)


体《か
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