事は悪《わる》い鼠《ねずみ》を喰《た》べたり 追つたりいたします
猫,鼠 さういふものは火星にはをりませんな
○
これより音楽会《おんがくくわい》 つづいておどりの大|会《くわい》をひらきます
○
すてきねー
このすばらしい音楽《おんがく》はあのラッパのある自動音楽|機《き》が ひとりで奏《や》つてゐるのです
愉快《ゆくわい》だなあ
○
あつ、これはへんだぞ
どうかしましたか
○
急にお腹《なか》が痛《いた》くなつてきた
それは大|変《へん》!
あら わたしもお腹がチクチク痛くなつてきた
○
ウーン ウーン
痛い 痛い あいたつッ
僕《ぼく》もお腹が痛い
これは大変だ 病《びやう》気らしい
さつそく病|院《ゐん》に送《おく》るやうに
○
お腹が痛い ウーム
痛い痛い
アーン アーン
早く 病院|車《しや》を呼べ
みなさん せつかくですが歓迎会《くわんげいくわい》は中止《ちゆうし》にいたしまあーす
[#改ページ]
腹痛《はらいた》
○
地|球《きう》のお客《きやく》さんが病気になつたのだ
どうしたのだらう
やあ 病院車がやつてきた
(みなさん さわがないでくださあーい)
○
いたい いたい
ピチ あんまりあばれてはいけないよ
でも 痛《いた》いんだア
○
どうも 様子《やうす》がわからん
みなさん 手をかして下さい
病《びやう》人だから静《しづ》かにのせて下さい
○
それ! 病|院《ゐん》までスピート
○
さあ 病院へ着《つ》きましたよ
○
さつそく 注射《ちゆうしや》を百《ひやつ》本ほどやらなければ
ウワア そんなに注射するんですか
○
ここがレントゲン室《しつ》です お腹《なか》の中を見てあげませう
お医者《ゐしや》さん 早くみてちようだいよ いたいんですもの
○
ははあん これは怪《あや》しい
お腹 どうかなつてゐますか
早く痛《いた》いのを治《なほ》して下さい
痛みはすぐとめてあげますよ
しかし これは治療《ちれう》が長|引《び》きますな
○
さあ 病室《びやうしつ》に入るのです
これこれ 病室にベットを三つ用|意《い》して
はい
困《こ》まつたことになつたねえ
○
しづかに寝《ね》[#ルビの「ね」は底本では「て」]てゐらつしやい
どのくらゐたつたら治《なほ》るんだらうなあ
痛みはすぐとめてあげますよ
やあ うれしい
○
ただ
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