だ、将来の実力発揮のためにいゝ神経を害ねる勿れ。
△土岐流司氏――失題よろし、リアリストとして将来勝てる作家である、自重のこと。
△藤岡一氏――『マンドリン』『花甘藍』と題をつけるのはあまりにシャバ気がある、無題とまで徹底できなかつたら、かうしたコラージュ的な仕事を廃した方がいい。
△清水錬徳氏――気まじめさが足りないが、いゝ画であつた、いゝ加減善心に立ち還つた方が身の為めだらう、あまり画集などに頼らずに自分の個性的な仕事をすること。古い天才主義と別れること。
△井上長三郎氏――『絵画』誰も絵画でないといひもしない先から、何故『絵画』などといふ題をつけたか、それを知つてゐるのは作者自身と斯く批評する私とだけだらう――などといつたら両者結托してゐるやうに誤解し給ふな、大家となると往々題のつけ方が果す役割といふものを知つてゝやることがある、それは良いことではない、この絵の線からピンセットで一本一本不要な線をとつてしまつて、どれだけ必然的な線が残るかといふ仕事を観衆がやつてみたらいゝ、どれだけこの線の走り方、本数に科学的根拠があるかといふことが証明されるだらう、井上氏は一応はリアリストではあ
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