これまであまりやりたくなかつた印象批評、直感批評を、この展覧会の人々の作品にやつてみたい、そして勝負をかういふ風に決めたい、即ちかゝる人々の描く、全く現象的な印象的な、わけのわからない仕事も、また何等かの形でその作画過程に、現実的根拠があるのであるから、私の直感批評もまた、私の背後に現実的根拠をもつてゐる、さういふ意味で、この人々が描いた現実的根拠の反映としての、現象としての絵画と、私の印象批評の現実的根拠と、その結果としてどつちが正しいかといふ、勝ち敗けを決めたい、それは誰が決めるのか、それは私が決め、出品者が決められる(或は反対する)といふ以外の一般観衆に決めて貰つた方がいゝ、もつと徹底した言ひ方をすれば、独立展をみにくる観客なるものの、社会的な層が如何なるものであるかといふ吟味から先に決めてかゝらう、若し観客なるものが、役者が役者を観客に招いたやうな結果つまり画家が専門家だけにみせてゐて、大衆が全く見に来てゐなかつたと仮定したらどうなるだらう、私はその意味で、独立展をみに来ない(観客)の意識感情まで代表して、批評したい位に考へてゐる。
現在の現実の反映はなかなか独立展では見事に
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