な違ひがあるだらう。今度の展覧会をみたが、堂々たるもので、龍子、関雪、翠雲、大観の錚々たるところを筆頭に大体に於て画壇で社会的地位を代表した画家を並べ、またどういふ縁故関係かおそろしく無名な画家も四、五を添へ先づ見た眼は相当な粒揃ひであつた。作品の出来も僕は小品揃ひではあるが大体に良心的なものが多かつたやうに思ふ。
 商人といふものは専門家でないやうでゐて、それが専門絵画に関する専門的な見方、どれが良いとか、どの画家を選ぶべきかといふ事は他が考へるやうに無鑑識なものではない。それは商人の特質ともいふべきものであつて、より多く儲かる商品をより高く売り得る商品を発見するといふ才能は芸術専門を以て自任してゐる専門家よりもその職業が一そう敏感な働きをもつものである。だから商人の商品価値の眼識をもつて芸術家の芸術価値へ眼鏡を与へる場合、相当な眼識をもつて芸術家の芸術性の殆んどのパーセンテージを知る事が出来るのである。試みに一人の専門に洋傘を製造してゐる職人、或は皮革製品の専門職人と、デパートのその売場専門の係員へと専門商品に就いて討論さしてみたまへ。おそらく専門職人が知らない種々な知識をもつてゐ
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