なにやら青い長いものをのんきさうに、ぴちや、ぴちや、といやしく舌なめずりをしながら、水でもなめるやうな口をして喰べてゐるのでした。それは一匹の青大将でした。その喰べる容子は、たいへん熱心でした。親豚は、これを喰べてしまふまでは、赤ちやんの方は、おかまひなしといつた顔付きをして、叮嚀に噛んでゐるのです。子豚もまた母豚《おやぶた》にはおかまひなしに、
『三匹産れたピー』
『四匹産れたピー』
『五匹産れたピー』
『六匹産れたピー』
 と、口笛をふいて、お母さん豚のお腹から、ぴよこ、ぴよこ飛び出し、四方八方へ駈けだしました。母豚が青大将を、尻尾まで、喰べてしまふまでには、子豚が、ピー、ピー、何匹産れたか、この豚飼の男には、おぼえがない程、たくさんに産れました。(昭4・5愛国婦人)

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白い鰈の話

 しつきりなしに海底に地震のある国がありました、そのために海はいつも濁つてゐて底もみえず、漁師達はただ釣針を投げこんで手応へのあるとき糸を引きあげて釣つてゐる有様でした。村に一人の利巧ぶつた漁師が住んでゐて、彼は漁から帰つてきてこんなことを話しました。
『近頃、わしの釣る鰈
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