喰べる悪い癖がついたぞ』
 鶏飼人は、鶏たちに卵を食はせまいとして、追つかけ廻し、以前にもました大騒ぎとなり、鶏たちは埃を舞ひあげて、柵の中を逃げ廻りました。
 その騒ぎもしづまりました、夕暮がきて、鶏たちの眼も、だんだんぼんやりと見えなくなつてきました。
 雄鶏は一家族の数をあらためました、十三羽ちやんと居て、一羽もはぐれてをりません、
『みんな、これから眠りませう、その前にちよつとお話をいたします。今日は神様も、我々家族をお憎みになつて、おいでだらうと思ひます、それといふのは、昼の騒ぎです、もつとも近頃は鶏飼人の不親切で、さつぱり瀬戸物を砕いたのを、我々にくれません、しかし瀬戸物がなかつたなら、私達は小砂利を拾つて喰べればよいのです、けふのやうに、鶏のくせに卵を喰べるやうなことがないやうに、私達は卵を産むのが仕事ですから』
 かう一同に言ひました、若い雌鶏達は、こころから悪いことをしたと考へました。
 婆さん鶏は、雄鶏をじろりと見て
『いちばん先に、卵を割つたのは、わしだよ。若い者に罪はないさ。鶏が卵を食べられないといふ規則はないからね』
 と憎々しくいひました。
 雄鶏は、何段に
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