がら
『さあ、さあ、みんな鶏小屋に帰りませう。』
 といひ、先頭に立つて、ぷんぷん怒つて、一同を連れて小屋の方へ歩るきました。
 意地悪の婆さん鶏は、一同の列の、いちばん後に、よぼよぼと尾行《つい》てきました。
 小屋に入ると鶏たちは、それぞれ練餌を喰べたり、砂を浴びたり、羽の手入れをしたり、勝手なことをいたしました。
『雄鶏さん、大変ですよ、あの意地悪婆さんが、飛[#「飛」に「ママ」の注記]んでもないものを喰べて、』
 一羽の鶏が、雄鶏のところに、あわてて注進にきました。
 最初婆さん鶏が、鶏小屋の隅の暗いところで、ひとりで白い丸い物を、むしや、むしや、喰べてゐました、それをみつけたのは若い雌鶏達でした、そして婆さん鶏は、自分だけで喰べようと頬張つて、眼を白黒させました、そこへ若い雌鶏が、飛びついてその白い物を奪ひ取りました、それからが、小屋の中は、上を下への大騒ぎとなつて、この白い物の奪ひ合が始まつたのでした。
 雄鶏もやつてきて見て驚ろきました、それは奪ひ合つてゐる白い物は、鶏卵《たまご》の殻であつたからです。
 小屋の騒ぎに、鶏飼人がやつてきました。
『やあ、これは大変だ、卵を
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