、さびしい悲しい思ひをしながら誰一人やつて来ない、谷間の小屋にとり残されて何十年となく暮らしてゐました。
マナイタは今にも神様がひよつこりと山小屋にかへつて来るやうに思はれてなりませんでした、毎日毎日主人のかへりを待ちこがれてゐました、しかし神様はこの捨てたマナイタのことなどは考へてはゐなかつたのです。
それからまた何十年と経ちました、ながい年月の雨と風に、小屋は傾き果て、そのうちに或る日大水が出て小屋は強い水の勢ひで谷川に押しながされてしまひました、マナイタも、ぽかんぽかんと谷川に流され、あちこちの岩にぶつかり、岸に打ち上げられ、また水にさらはれたり、何十年となく谷を下流にむかつて旅をつゞけなければなりませんでした、そしてやうやく海に出たのでした。
その海を流れるマナイタの生活も、それはそれは永い間で、何十年、何百年といふ年月をもう忘れてしまふほど、浮いたり、沈んだり、潮にもまれる、つらい/\生活をつゞけました。
昔は若者であつたマナイタも今はまつたく腐つてしまつて、見るかげもなく醜い老人となつてしまひました。
『にくらしいアイヌの神様、にくらしいアイヌ奴を呪ひ殺してやらう、
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