た。すると酋長の夢枕に、赤い着物をきた、『マナイタの神様』の姿があらはれました、そしてマナイタの神様は酋長にむかつて、語り出しました。
何百年も大昔のことでした、アイヌ達の先祖に大変に勇気のある神様がをりました。山から山へ、谷から谷に、たつた一人で分け入つて、熊や狼やさま/゛\の獣の猟をしてゐました、谷底に松の枝で狩小屋を作り、神様はそこで寝起きしました、その小屋を根城にして、朝早く外に出かけ、一日中山を走りまはつて、夕方には背負ひきれないほど獣をたくさん猟をして、山小屋へ帰つて来ました。
それから夕飯の仕度をするのです、魚の乾かしたのを、トン/\と叩いて柔らかにしたり、獣の肉を切つたりするのに、イタダニ(マナイタ)を使ひました、このマナイタはかんたんなもので、木を一尺程の長さに切つてそれをまたたてに割つたカマボコ型をしたマナイタでした。
やがて神様は、辺りの獣も狩りつくして少なくなつたので、山小屋をひきあげて、遠くの山奥に移り住むことになりました、そこでそのマナイタもいらなくなつたので、小屋の中に捨てたまゝ出発してしまひました。
小屋の中に残されたマナイタは、主人をうしなつて
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