の新しい桐の木と結婚するなんて』
 と狼を憎む声がだん/\高くなつて来ました。
 村の王様といふのは、珍らしいもの好きな性質がありましたから、憤慨してゐる樫の木がおかしくてなりません、そこで茶目気を出して、踏台をお城に雇ひ入れることにしました、踏台は王様に雇はれると急に大きな声で叫びだし
『悪い狼奴がどうして妾を欺《だ》まして、出世をしたか――』といふ長い文章を書いて王様に進呈しました。
 王様はこれを城壁にはつて、村に住んでゐるものゝ意見をきゝましたが、誰一人として狼の味方をするものがありませんでした、みんな樫の木が可哀さうだといふのでした
 狼はすつかりしよげてしまつて、長い耳を垂れて耳を塞いで
『世の狼共よ、かしの木と結婚するのは良いが、決して踏台にはするもんではないよ』
 といひました。(小熊夫人書き写し)

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マナイタの化けた話

 海の水平線に、小さな帆前船が現はれました。見ると船の上には、四五人の人が立つてゐて、手をふりあげて、岸にむかつて助けをもとめてゐました。
 アイヌの村に、この奇怪な船があらはれると、アイヌ達は『それやつてきた――』と大騒
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