るやうだ、
私につづく人々の群も、
つぎつぎと私のしたやうに
オーバーを剣にふれて見ながら通つてゆく
少年兵士は剣をはげしく後に引く、
群集は驚いて飛びすざる、
騎馬将校が道路を横切つてはしつて行つた。
多少の埃は
真理はいつも
私にとつては軽快さ、
――私が暗い
[#ここから2字下げ]
歌を歌はぬことは
君にとつては、お気の毒さま
[#ここで字下げ終わり]
踊れ、フォックス・トロットを
九頭九尾の狐の
妖怪味を充分に出して
敵とたたかへ、
前方へは煙幕を――、
後方へは屁を――、
我等の狐はたしかに馬に跨がつた、
巨大な現実に
われわれの歴史の位置はきまつた、
そして狐と馬とは、
味方と敵とは、
ヒステリカルに
狂はしく
現実をすつとんでゆく
つまり我々プロレタリア狐は
ブルジョア馬の尻尾を
奴の把手を掴まへてゐるのだ、
奴は右にとばふとする
われわれは左へ行かふとする、
恐しい勢で山をくだる
石のやうに飛んでゆく
現実に多少の埃も立たうといふものだらう。
平民と愛
『人は愛し
又愛される
王様達に欠けた幸福――』
詩人ユーゴーの歌つた愛を
うけ継ぐ仕事は
若い青年少女
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