タルジア》を味つてゐる
精神や肉体の笞刑は
歴史と共に若者達の
貧しい生活の上に加へられてた、
[#ここで字下げ終わり]
雷(5)[#「(5)」は縦中横] 神よ鬼よ
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お前達の実体の存在を
われわれは否定する
我々は無神論者であり
又唯物論者である
然るにおまへ達が
人間の霊魂を統制する
一種の工具になされることを
歴史的な怪物として知られる、
そして科学によつて、
それにひかれる観念を打破しようと
人間の霊魂を
迷信的幻想から
引き出して
現実的理想へ
押し進ませようと
保証がある手段で努力する。
[#ここで字下げ終わり]
小熊(6)[#「(6)」は縦中横]人間の思惟の世界での
[#ここから3字下げ]
可能なことは
すべて人間の手で
可能化されなければならない、
真理を信奉するものに栄誉あれ、
現実を愛する現実主義者よ、
土壌のために春は訪れた、
春のために河は、水は、流れた
理想の船の弛ゆみなく
海へ至る路よ、
喧騒をも擾騒をも怖れない
[#ここで字下げ終わり]
雷(7)[#「(7)」は縦中横] サイレンを吹け
[#ここから3字下げ]
唾沫を飛ばせ
勇しくて
整然たる歩伐[#「伐」に「ママ」の注記]で出発し
驚かす行動のシグナルを示す、
又、あらゆる同伴者を動員して
戦線を固める
プロレタリア詩人よ
わが詩の行路を
ひらかせ!
[#ここで字下げ終わり]
小熊(8)[#「(8)」は縦中横]妖怪的な強がりの宣言を避けて
[#ここから3字下げ]
もつとも具体的な
行為の詩を書かう
豊饒な思想の収穫場に
いまわれ/\は働いてゐる
怖れるな、われらの我儘者よ、
大胆不敵な行為の自由を
やつてのけよ、
整然は愛すべきで、
足なみを揃へよ、
そしてあくまで宣伝的であれ、
[#ここで字下げ終わり]
作品第四番 九月二日
雷(1)[#「(1)」は縦中横] 我々はいらない
[#ここから3字下げ]
割引的な文学賞金を。
そしてあいつも
我々に送つて呉れぬ
されど我々の作品には
金銭で買はれぬ程の
価値がある
我々の名誉も
万千の大衆に
定評されるだらう
我々は若し犬になつたら
しかもよく吠えるを[#「を」に「ママ」の注記]したら
少くとも空腹にならないだらう
犬になりたいものよ
まづ尾の払ひ捲きを
ならはねばならぬ
だが、厄介であるのは
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