に調子づき――、
君が誰のために舌がもつれてゐるのか――、
若し君がプロレタリア階級のために
舌がもつれてゐるとすれば問題だ、
レーニンは、うまいことを云つた、
――集会で、だまつてゐる者、
それは意見のない者だと思へ、と
誰も君の口を割つてまで
君に階級的な事柄を
しやべつて貰はうとするものはないだらう。
我々は、いま多忙なんだ、
――発言はありませんか
――それでは意見がないとみて
決議をいたします、だ
同志よ、この調子で仕事をすゝめたらよい、
私は私の発言権の為めに、しやべる
読者よ、
薔薇は口をもたないから
匂ひをもつて君の鼻へ語る、
月は、口をもたないから
光りをもつて君の眼に語つてゐる、
ところで詩人は何をもつて語るべきか?
四人の女は、優に一人の男を
だまりこませる程に
仲間の力をもつて、しやべり捲くるものだ、
プロレタリア詩人よ、
我々は大いに、しやべつたらよい、
仲間の結束をもつて、
仲間の力をもつて
敵を沈黙させるほどに
壮烈に――。
論争に就いて
私は友の軽快な議論をきいた、
その夜は疲れて気持よく熟睡することができた、
我々は何故このやうに議論し
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