あるかわかる
城の上の一つの雲が
千の雲を用意してゐるやうにもみえて
このあたりの自然は全く美しい、
美と、自然に色々な種類のあることを想ひ起す、
僕は憤怒に憑かれてゐる
華々しい謙譲をもつて
脱落して行く群を祝つてやれ
偉大な秘密をもつことをしない
犬畜生に劣る
明朗さをもつて
或は苦しさうな表情を楽しんで
単純この上もない
心理主義者の群は
いま人生の一隅に押しやられた
あいつ等は後をふりむく
余裕もないほど
時の流れに
身をまかす退却ぶりだ、
彼等の教養がどのやうな
役割を果したといふのか
ただ退却を合理化す言葉を[#「合理化する」か?]
百千、つづけさまに
吐いただけではないか、
労働者よ、
僕の行為を信じてくれ
彼等のために××しより惨酷な詩を
書き飛ばしてゐる今日、
僕の愛の性質は
曾つてこの国に現れたことのないやうな
新しい衣装をつけて
現れたといふことを、
彼等の火傷の上に
酢をたらしてやる
それをじつと僕は見てゐる
貧しいものの
憤怒が僕に憑いたのだ
僕はとつくに復讐戦に
入つてゐるのだから
その惨忍はしかたがない。
俺達の消費組合
俺達は、俺達の消費組合を守れ、俺たちは絶えず
糧道に銃を構へてゐなければならぬ。
××的消費組合の機関は、
俺達の罷業前に
充分兵糧の用意をしてくれた。
俺達が闘争をオッ始めると
勇敢な兵たん部の仕事をしてくれた。
そこから泡立ちの良い
シャボンを求めるのではない、
また切れの良い髯剃り道具を
要求するのでもない。
俺たちの必需品、
闘ひのための品々、
ブルジョア共の一切の
ゼイタク品を蹴飛ばし、
頑張りの為めの必需品の配給を受ける。
俺たちが消費組合を支持しつゝ闘争することは
二重三重に闘ひを強めるものだ。
一個の商品を組合からとること
これは重要な意味をもつ、
女達は台所口で
商人共の中間搾取の防ぎ手となり、
争議の起つた時には
男達は消費組合と、
共同の対策委員会をもたねばならぬ。
そして足並揃へて、
闘争の集中をはかる。
商業資本のカラクリや、
帝国主義戦争と物価の関係。
ダラ幹産業組合の面の皮。
敵のあらゆる嘘ッパチを消費組合を通じてひんむき、
暴露しつゝ、闘ひ闘ひつゝ、暴露するのだ。
其処には、月の下には、
見あげる許りの黒い鉄骨がそゝり立つてゐる。
ソヴヱットロシヤ。
労働者、農民の国。
夜
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