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奪はれた魂

地軸に近い何所かで
うづもれた
世にも稀なる紫ダイヤを
とげ/\と骨ばかりのやせこけた
悪魔たちがまるくとりまき
ひからびた手を繋ぎ合ひ
にやにやとした
もの倦い足どりで
踊るたびにからからと音がする
   ◇
ちやうどそれのやうに
ちやうどそれのやうに
かつて失はれた俺の魂は
かつてうばはれた俺の魂は
柔かく
滑らかな琥珀の頬と
熟したザクロの唇とをもつた
美しい悪魔が
青くはげしく燃える俺の魂を
しなやかな白いくすり指で
さんざん何処かで
弄んでゐることであらう
   ◇
しかし美しいサタンよ
お前が何時か濃緑の絨氈の上に
そつと置きわすれていつた
青銅の壺にはいつた
魂の小さいカケラを
俺はしつかりと握つてゐる
   ◇
お前はその魂のかけらを
俺からうばひ返さうと
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