て、伝染病の消毒に使うというような事をした。次にはヨウ素[#「ヨウ素」に傍点]を研究した。やはり炭素や水素と化合させた。またナフサリンを強い酸に溶したりした。鋼鉄[#「鋼鉄」に傍点]の堅くて錆びないのを作ろうと工夫して、白金だの、その他の金属を少しずつ加えて見たが、これは成功しなかった。一番成功したのは電磁気廻転の実験[#「電磁気廻転の実験」に傍点]であった。
一八二〇年にエールステッドが電流の作用によりて磁針が動くのを発見したのが初まりで、電流と磁石との研究が色々と始まった。その翌年にファラデーは、電流の通れる針金を磁極の囲《まわ》りに廻転させる実験に成功した[#「成功した」に傍点]。これは九月三日[#「九月三日」に傍点]の事で、ジョージ・バーナードというファラデーの細君の弟も手伝っておったが、それがうまく行ったので、ファラデーは喜びの余り、針金の廻る傍で踊り出してしまい、「廻る! 廻る! とうとう成功したぞ!」といった。「今日の仕事はこれで切り上げ、どこかに行こう。どこがよい。」「アストレーに行って、曲馬でも見よう」と、大機嫌でバーナードを連れてアストレーに行った。これまでは宜か
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