「以上に列記したるは、ファラデーの発見中の最も著名なるもののみである。たといこれらの発見なしとするも、ファラデーの名声は後世に伝うるに足るべく、すなわちガス体の液化、摩擦電気、電気鰻の起す電気、水力による発電機、電磁気廻転、復氷、種々の化学上の発見、例えばベンジンの発見等がある。
「かつまたそれらの発見以外にも、些細の研究は数多く、なお講演者[#「講演者」に傍点]として非常に巧妙であったことも特筆するに足るだろう。
「これを綜合して考うれば、ファラデーは世界の生んだ最大の実験科学者なるべく、なお歳月の進むに従って、ファラデーの名声は減ずることなく、ますます高くなるばかりであろう。」と。
ファラデーの名声がますます高くなるだろうと書いたチンダルの先見は的中した。しかし、チンダルはファラデーの最大の発見を一つ見落しておった[#「最大の発見を一つ見落しておった」に傍点]。それは実験上での発見ではなくて、ファラデーが学説として提出したもので、時代より非常に進歩[#「非常に進歩」に傍点]しておったものである。もしチンダルにその学説の価値が充分に理解できたならば、チンダル自身がさらに大科学者とし
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