り、これが磁場にていかなる変化を受くるかを調べたるも、結果は見当らなかった。この後三十五年を経て、一八九七年オランダ人のゼーマンがこの変化を研究し、今日ゼーマン効果[#「ゼーマン効果」に傍点]といわれている大発見となった。
二三 研究の総覧
これよりファラデーの研究の全般[#「研究の全般」に傍点]を窺《うかが》おう。それにはチンダルの書いたものがあるから、そのままを紹介する。ただファラデーの死後間もなく(今から言えば五十年前に)書かれたものだから、多少不完全な[#「不完全な」に傍点]点もあるようである。
「アルプス山の絶頂に登りて、諸山岳の重畳するを見渡せば、山はおのずから幾多の群をなし、各々の群にはそれぞれ優れた山峯あって、やや低き諸峰に囲まるるを見る。非常なる高さに聳ゆるの力あるものは、必ずや他の崇高なるものを伴う[#「伴う」に傍点]。ファラデーの発見もまたそのごとく、優秀なる発見は孤立せずして、数多の発見の群集せる中の最高点[#「最高点」に傍点]を形成せるを見る。
「すなわちファラデーの電磁気感応の大発見[#「電磁気感応の大発見」に傍点]を囲んで群集せる発見には、
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