一方においては、電磁気廻転の実験[#「電磁気廻転の実験」に傍点]に成功した年でもある。初めウォーラストンは、電流の通ずる針金のあるときは、磁極をこれに近づくれば、針金は自己の軸のまわりで廻転を始めるだろうと考えて、実験したが、成功しなかった。
その頃、ファラデーは電磁気の作用の歴史を某雑誌に出しつつあった関係上、それらの実験を繰りかえして試み、これが動機となって、次の実験に成功した。すなわち、下端を水銀の皿に入れ、上端を吊してある針金に、電流を通ずると、中央にある磁極のまわりを廻転し出すということである。また反対に電流の通ずる針金の位置を固定し置けば、磁極の方がそのまわりを廻転する。これがウォーラストンの企てた実験に外ならぬという誤解を生じたのだが、実はウォーラストンのとは全く違った実験なのである。
この実験に成功したのは九月三日のことで、この日の出来事は既に前にも記した通りである。
その十二月には、地球の磁力[#「地球の磁力」に傍点]によりて、電流の通れる針金の廻転することをも確かめ、翌年も引きつづきこの方面の研究に没頭した。
三 手帳
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