るに、此《この》方面《はうめん》に就《つい》ては私《わたし》は餘《あま》り多《おほ》く知《し》らぬが、要《えう》するに幼稚《えうち》極《きは》まるものであつて、規模《きぼ》が極《きは》めて小《ちい》さいやうである。つまり歐羅巴《ようろつぱ》の化物《ばけもの》は、多《おほ》くは東洋思想《とうやうしさう》の感化《かんくわ》を受《う》けたものであるかと思《おも》ふ。
以上《いじやう》述《の》べた所《ところ》を總括《そうくわつ》して、化物思想《ばけものしさう》はどういふ所《ところ》に最《もつと》も多《おほ》く發達《はつたつ》したかと考《かんが》へて見《み》るに、化物《ばけもの》の本場《ほんば》は是非《ぜひ》熱帶《ねつたい》でなければならぬ事《こと》が分《わか》る。熱帶地方《ねつたいちはう》の自然界《しぜんかい》は極《きは》めて雄大《ゆうだい》であるから、思想《しさう》も自然《しぜん》に深刻《しんこく》になるものである。そして熱帶《ねつたい》で多神教《たしんけう》を信《しん》ずる國《くに》に於《おい》て、最《もつと》も深刻《しんこく》な化物思想《ばけものしさう》が發達《はつたつ》したといふ事《
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