》二|年《ねん》十二|月《ぐわつ》出版《しゆつぱん》、防火策圖解《ばうくわさくづかい》)なるものか壁《かべ》に筋《すぢ》かひを入《い》れることを唱道《しやうだう》した位《くらゐ》のことでそれ以前《いぜん》に別《べつ》に耐震的工夫《たいしんてきくふう》の提案《ていあん》されたことは聞《き》かぬのである。
 以上《いじやう》略述《りやくじゆつ》した如《ごと》く、日本家屋《にほんかをく》が木造《もくざう》を以《もつ》て出發《しゆつぱつ》し、木造《もくざう》を以《もつ》て發達《はつたつ》したのは、國土《こくど》に特産《とくさん》する豊富《ほうふ》なる木材《もくざい》のためであつて、地震《ぢしん》の爲《ため》ではない。
 三|韓《かん》支那《しな》の建築《けんちく》は木材《もくざい》と甎《せん》と石《いし》との混用《こんよう》であるが、これも彼《か》の土《ど》における木材《もくざい》が比較的《ひかくてき》貧少《ひんせう》であるのと、石材《せきざい》及《およ》び甎《せん》に適《てき》する材料《ざいれう》が豊富《ほうふ》であるがためである。
 その建築《けんちく》が日本《にほん》に輸入《ゆにふ》せら
前へ 次へ
全21ページ中18ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
伊東 忠太 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング