り。今、ニユーヨーク巡回文庫その他の組織中、共通または著しく近似せる点を挙くれば左のごとし。
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一、選択せる二十五、三十、五十または百冊をもって一文庫と称し、これを堅牢にして運搬に耐うべく、兼ねて駐在所において、そのまま、使用するに耐うべきよう装置すること。
二、巡回文庫は、主として、州立図書館の管理に属すること。
三、巡回文庫を使用し得べきものは、(一)[#「(一)」は縦中横]公立図書館、(二)[#「(二)」は縦中横]公立図書館の設置なき町村にありては納税者若干名の連署申出により、(三)[#「(三)」は縦中横]学校、(四)[#「(四)」は縦中横]研究会、講習会等なること。
四、使用期限は場合により、三ヶ月または六ヶ月とし、その期に至れば、これを返納して、更に他の文庫と交換すること。
五、借り受けたる文庫に対しては、公立図書館、学校、町村、その他の団体にて、特に委員を設け、またはその管理者をして、一切の責に任せしむること。
六、巡回文庫の購入は、全て、州費支弁にして、これを受けたる図書館または町村より、これを個人に貸付するには、全て無料なれども、往復その他の諸経費に充つるため、借受町村また図書館より、毎文庫若干の手数料を徴するあり、あるいは、州税を課するあり。
七、図書館または町村等において、巡回文庫を個人に貸付ける期限は、文庫駐在期日の長短と駐在地人口の多寡とにより一定せざれども、その返納期日を誤りたる場合には、過料の制裁あり。
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底本:「個人別図書館論選集 佐野友三郎」日本図書館協会
   1981(昭和56)年9月7日第1刷発行
初出:「秋田県教育会雑誌 第一一五号」
   1902(明治35)年2月
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:鈴木厚司
校正:小林繁雄
2007年12月1日作成
青空文庫作成ファイル:
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