供給を圧して巡回書庫に満足せず、遂に図書館の設立を見るを常とす。これを例せんに[#「これを例せんに」に傍点]、未だ菓子を味わざる児童は[#「未だ菓子を味わざる児童は」に傍点]、これを眼前に見るも[#「これを眼前に見るも」に傍点]、敢て求むることなけれども[#「敢て求むることなけれども」に傍点]、一たび[#「一たび」に傍点]、これが甘味を経験すれば[#「これが甘味を経験すれば」に傍点]、絶叫[#「絶叫」に傍点]、強請[#「強請」に傍点]、これを得ざれば止まざるがごとく[#「これを得ざれば止まざるがごとく」に傍点]、町村の公衆も[#「町村の公衆も」に傍点]、巡回書庫によりて[#「巡回書庫によりて」に傍点]、始めて読書趣味を喚起せられ[#「始めて読書趣味を喚起せられ」に傍点]、自ら図書館を設立するにあらざれば満足せざるなり[#「自ら図書館を設立するにあらざれば満足せざるなり」に傍点]。
我山口図書館の巡回書庫は、故ありて少しく事情をことにし、郡市の請求を待たず、本館より自ら進みてこれを供給するものなれば、郡市は自ら受働的となり、無償にて得らるるがために、あるいはこれを藐視することなきか。余
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