する他の図書館に比して、毫も多きを加えずという。この書架公開式を採りて開館の当初より大規模に応用し、最も成功したる最大図書館は、二十余万冊を公開するフィラデルフィア無料図書館なりと称せらる。同館長ジョン・トムソン氏かつていわく、余は公開すべき図書の員数に何等の制限なきことを断言するに※[#「足へん+寿」、第4水準2−89−30]躇せず。公開書架にして危険(保護の見地より)なりとすれば、フィラデルフィアのごとき大都会にありては、これが危険を感ずべき理なれども、事実は全くこれに反す。………。単に目録のみに頼りて図書を利用せんとする者は[#「単に目録のみに頼りて図書を利用せんとする者は」に傍点]、公開書架につきて[#「公開書架につきて」に傍点]、親しく図書自体に接触する者に比すれば[#「親しく図書自体に接触する者に比すれば」に傍点]、三分一の利益をも得ること能わずと[#「三分一の利益をも得ること能わずと」に傍点]。見るべし、書架の公開は、読衆にも、管理者にも、共に至便にして、敢て危険の虞なきこと、単に小規模の図書館においてのみ然るにあらざることを。
余等は自ら好みて新奇を追う者にあらざれど
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