るも未だ完全なる状態に至らざる生物のこと。
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四一八 樂《げう》と不|樂《げう》とを捨て、清涼に、變化的生存の素因なく、一切世間に勝つ勇者を我は婆羅門と謂ふ。
四一九 一切有情の死と又生とを知り、著《ぢやく》なく、幸にして、覺悟せる人を我は婆羅門と謂ふ。
四二〇 心の穢なき阿羅漢の趣きし處は神も健闥婆も人も能く知らず、彼を我は婆羅門と謂ふ。
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健闥婆―鬼神の一種。
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四二一 初めにも後にも中にも少しの所有あらず、無所有無取なる彼を我は婆羅門と謂ふ。
四二二 最上勇猛なる牛(王)、大仙、己服者、無欲者、沐浴者、覺悟者を我は婆羅門と謂ふ。
四二三 人あり前世の生存を知り、又神と惡趣とを見、又生の盡を得、神通圓滿せる智者となり、一切圓滿せる圓滿を有する彼を我は婆羅門と謂ふ。
底本:「法句經」岩波文庫、岩波書店
1935(昭和10)年3月30日第1刷発行
1972(昭和47)年5月10日第25刷発行
※底本で本文下部にある脚註は、2字下げで註が付けられている節の後にもってきました。
入力:田中敬三
校正:小林繁雄
2008年3月19日作成
青空文庫作成ファイル:
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